屋 久 島 病 の 日 々
随時更新
白谷雲水峡は今日も最高だった。
12月18日(火) くもり時々雨
9回の屋久島旅で1度も欠かしたことがない場所。
私の屋久島病の原点。何度来ても違う表情を見せてくれる森。
豊かな水の流れに心が勝手にヨロコビだす。
昨年の夏、初めて訪れたときには目を見張ったものだ。
「こんなにきれいな水がどんどん流れてていいの?!」
それにしても静か。前回訪れたのは10月末だったが、
そのころの賑やかさはない。
時折写真撮影が目的であろう三脚を持った人と
抜きつ抜かれつするほかは、人影もない。
何だかひとりじめ。ふふふ。
「うれしすぎるうれしすぎるうれしすぎる・・・」といつのまにか胸の中で
つぶやいていたりする。時々声に出してたりもする。
車で入り口に着くまでに、すでにポツポツきていたので、
雨合羽にザックカバーで歩き出した。雨は降ったりやんだりで
本降りになることはなかった。
仮に多少降り出したとしても、森では頭上の葉っぱが雨脚を弱めてくれる。
木を覆う苔には、まるでたわわに実るように雫が光っている。
雨が落ちてくるごとに、光の粒がぱらぱらと弾む。
姿のよい杉が、苔のドレスをまとってすっくと立っている。
私の中の悪い汁は、雨とともにじゅーっと土壌に吸収され、
替わりに体中が緑に染まっていくのであった。
七本杉に寄りかかり、手のひらと額をつけて、交わった。
この森は、私にとって官能的ですらある。
苔についた雨雫を、そっとなめる。
「自然は見る人の心を大きく映し出す」とある人が言った。
実はこの旅の間には落ち込む出来事もあったのだが、
最終日の今日、この森で「受け取る」ことができる自分がいて、
ちょっと安心した。
入り口まで戻ってきた。最後に駐車場に向かう橋の上から
流れ落ちる滝を見やる。
「充電完了」ランプが頭の中で点灯した。
遠く海に浮かぶ開聞岳を時折視野に入れつつ、
林道のカーブを下っていった。山々が見送ってくれる。
「わかったから」とつぶやいた。
(なにがわかったんだろうかね・・・。)
(おわり)
苔のドレス 苔苔!