屋 久 島 病 の 日 々
随時更新
| 夏・本・誕生会 |
8月6日(土)
ようやくできあがった本の発送作業に追われ、今回もまたまた
荷物の準備は全然できなかった。でもシュラフなど山関係の道具
はあらかじめザックに放り込んで送っておいたので、着替えと洗
面用具くらいですむはず。…なのに、あいかわらず前夜の荷作り
でカバンはふくれてゆく。夏の9日滞在、洗濯できなかったらと
思うと、なかなか衣類を削れない。
持っていこうとしていた一眼レフのファインダーを何気なくの
ぞいてみると、内部の表示バーになにやらシミのようなものが!
ううーん。前から「フィルムの送りがおかしい」と言われてはい
たが、ここにきてついに限界か。あきらめていつものデジカメを
入れる。
ウェブサイトの更新もあって結局3時間も寝られなかったが、
午前7時50分発の鹿児島行きに乗るべく、そろそろ通勤客が動
き出す駅のホームや空港内を汗かきかき移動する。知り合いがチ
ケット優待券を譲ってくれたので、半額でチェックイン。特にこ
の時季は割引されないのでかなりありがたい。
無事飛行機に乗りこみ、開聞岳の人工物のような三角錐に見と
れつつ、うとうともしないうちに鹿児島着。屋久島行きまで1時
間半近くある。朝食のパンを食べ、人もまばらなロビーの畳ベン
チに失礼して横になっていると、いつのまにやら夢の中へzzz。
ふと頭上の声に気付けば、閑散としていたロビーにお客さんが集
まってきていた。程なく機内への案内が入った。
午前11時定刻に屋久島着。タラップを降りながら、「開け開け」
と自分に言い聞かせる。そうすればきっと、屋久島の方からやっ
てきてくれる。前回の6月から2ヶ月後の上陸。にもかかわらず、
じわりとくる。
いつものようにレンタカーNAVIさんが迎えにきてくれる。そして
「*ちゃん、これに乗ってきて」と1台置いてすぐ行ってしまった。
さ、さすがこの時期、忙しそうだ。
事務所に行くと、先に着いていた本が、もう受付カウンターの
上に立てられていた。ここに少し置かせてもらえること、ずっと前
から約束してくれていたのだ。
いつもの調子で「元気だった?」なんてやってると、そこへNAVI
知り合いの方が現れた。なんでも東京と屋久島に家を持っている
社長さんらしい。もともとはふらりと屋久島にやってきたのがき
っかけというから、そういう意味では遠くないかもしれない。
さっそくNAVIさんが売り込む。で、一冊お買いあげ!…すごい。
そして車に乗り込んだ御仁を見送った…と思いきやUターンして
きてもう1冊買ってくれた。なんだか幸先いいスタートだ。(?)
事務所のテーブルを借りて、20冊ばかりの本に木(カマボコ板)
彫り肉球ハンコを捺し、署名をして準備完了。今回の訪島の目的の
一つは、本ができあがったという報告だ。出会ってきた人たちと、
そして屋久島に。とりかかってから1年以上経ってしまった。今年
3月の訪島にも6月のにも間に合わなかった。だから、嬉しいより
も、今は安堵の気持ちの方が勝ってしまっている。やれやれ、だ。
ゆかりちゃんが手製のカレーをふるまってくれ、事務所の昼食
タイムに参加。お腹も満たされたところで益救神社に行ってきま
すと言うと、まなみちゃんがつきあってくれることになった。
(宮之浦でお供えのお花も買うからと)
神社に着いて鳥居をくぐる。「ここはなんだか空気がちがうね」
と言う地元民のまなみちゃんに、うなずく。そういえばゆかりちゃん
もここに来ると「頭痛が治る」と言ってたっけ。木立を抜け、本殿
にお参り。本が無事完成したお礼を言う。そして恒例のおみくじ。
前に引いたのを結んで、新しいのを手帳に入れた。
八百屋兼花屋みたいなところでお供えの花など買って、わいわい
らんどに寄って事務所に帰った。まなみちゃんは仕事に戻ってった。
お買いあげ。
さて、わたしは永田へ。いなか浜まで行ってみることに。今日の夕
方、一昨日東京から屋久島に遊びに来ているKさんと会うことになっ
ていた。彼女は初めての屋久島で、忙しい仕事の合間をまさしく縫う
ように来ていて、ふたり偶然日が重なったというわけだ。きのうと
今日で、白谷雲水峡と縄文杉を訪れているらしい。明日には帰ってし
まう。山から下りてきたら連絡をくれることになっていた。
自称「夕焼けハンター」の彼女。もし今日永田からの夕焼けが見込
まれそうならそのまま呼び出してしまおう、と偵察も兼ねて足を伸ば
したのだった。
夕暮れまでまだ少し間があるいなか浜は、海で泳ぐ親子や、犬と一
緒の人がぱらぱらといるものの、全体的には静かな雰囲気の中、波が
ざんぶざんぶと音たてて寄せている。ちょうど西側に灰色の雲がでん
とあって、どうやら夕焼けは期待できそうにない。残念。
海に足だけ入りながら、シュノーケルマスクをかぶって波打ち際で
もぐっている、兄妹とおぼしきこどもたちを見るともなく見ていた。妹
がすっとまっすぐに波打ち際に向かって歩いていき、もぐっては打ち
寄せられて転がりながら引き上げてくるのがかわいらしい。
いざ!
浜辺では水に濡れて毛をくりんくりんさせたわんこが走っている。
ハマユウがゆらゆら揺れている。孵化したあと海にたどりつけなか
った子ガメが一匹、そのまま息絶えてじっとしている。手のひらに
のせて、波に向かって放り投げた。
Kさんから思いがけず早めに電話がかかってきたので、いなか浜を
あとにした。サンダルの間に砂が入ってじゅぐじゅぐしているのも
懐かしい感じがした。
結局その夜はNAVI姉妹友人の誕生日を祝うごはん(飲み)会にK
さんともども混ぜてもらった。
Kさんはちょっとどきどきしてしまうくらいきれいな女子なので、
やはりゆかりちゃんの必殺ほめ殺しにあってしまい、トビウオの唐
揚げとか、屋久とろとか、カメの手とか食べながら、皆でひーひー
笑った。
カメの手とか。
縄文杉にひとりで行って帰ってきてねむねむモードのKさんを宿
まで送り、残り女4人でカラオケに繰り出したのだった。誕生会
は続く。
そうして今年の夏の屋久島初日も終わっていった。