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随時更新
Here Comes The Sun 
   〜大和杉、ふたたび〜       
11月22日(日)晴れ 

 予定が延びて、1日空いた。前夜、さて、どうしよう?と考える。連休
の為、観光スポットは混んでいるだろう。できれば森で静かに過ごし
たい…。

 浮かんだのは、屋久杉ランドを抜け大和杉に至る森か、花山の森。
花山に引かれるも、登山道入り口まで行くには、地上高高めの車の
方が良い。また、少々道が悪く、運転技術的にもちょっと厳しい。
よって、大和杉。

 前夜の飲みでが尾を引き、朝遅めに起床、空はうす曇り。天気予
報は晴れだが、もちろんカッパはザックに入れる。今回は新調したの
だ!使いたいような、使いたくないような。ふふふ。

 教えてもらった安房のかも川というお店で、昼食を買う。お総菜を
選んで組み合わせられるのが、嬉しい。おむすび2種、卵焼き、揚げ
物を入れてもらう。300円代だった。

 ビートルズを聴きながら、ランド線を車でひた登る。屋久島でしか運
転しない私の楽しみのひとつに、「昔のカセットテープを聴く」というの
がある。カセットテープを再生できる車を借りて、家ではなかなか聴
かない、10年以上前にダビングしたテープを持参する。懐かしがっ
たり、案外新鮮だったり、しみじみしたり。

 ちなみに、今回持参したテープは
「The Beatles'67-'70」
「Mr.Tambourine Man(The BYRDS)」
「MERRY CHRISTMAS FROM JANIS」
「TRACY CHAPMAN」
「空色帽子の日(ZELDA)」
「HEART ACE(RC SUCCESSION)」
「元ちとせいろいろ」(これは最近)

 ばらばらである。

 が、書いてて思ったが、これを読んでなにがしかのイメージを持った
人もいるかもしれない。人の本棚をのぞくのが面白いように、何を聴い
ているかで、その人について浮かび上がってくるものはあるだろう。
もちろん主観的に。

 で、ビートルズである。「Back In The U.S.S.R.」である。く〜、かっこ
いー!
♪オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ、♪ゲッバーック、♪ドーンレッミー
ダーウン・・・調子にのって声を合わせる。

 わ、日が差してきた。おりしも曲は「Here Comes The Sun」。

 屋久杉ランド入り口に着いたのは、午前10時30分。協力金を払う
ときコースを尋ねられたので、大和杉まで行きたいと告げる。

 受付の女性は「うーん…道が整備されていませんよ」と返答。
「今からでしたら6時間あれば帰ってこれるかと」

 柔らかな日射しが降りそそぐ。木々に陽光が当たる何気ない光景が、
いちいち心に染みこんでくる。Here Comes The Sunが、頭の中でロー
テーションしてる。

  木に陽光が当たる。 陽光が倒木に射す。

 ここで立ち止まってはいかんいかんとカメラをしまい、最短でランドを
抜ける途中、昨年ここを案内してもらったガイドのOさんを見かけた。
Oさんは大和杉の発見者だと聞いている。覚えてもらってはいないが、
挨拶をして、大和杉に向かうことを告げると、ちょっと嬉しそうにしてく
れた(ような気がした)。

 ヤクスギランドを抜け、安房歩道を花之江河方面に進む。し、しんどい…。
さすが、夏以来な〜んにも運動しなかっただけあって、すぐ息が切れる。
息が切れることを別にすれば、楽しい。心がとても喜んでいる。

 喜んで浮き足立ってしまう自分をなだめて、足の裏を意識しながら、
ゆっくり進む。歩き方もおぼつかない感じだ。早め早めに休憩を入れて
いく。

 モミ、ツガ、スギの大木がたくさん立っている、壮観な「ニョロニョロの
森」や(勝手に呼んでいる)、嵐で崩れ、恐さすら感じさせる森を歩き、
尾根に出ると、抜けるような青空が目に飛び込んでくる。

 抜けるような青空に手を広げる枝。 
 
 更に落ち葉がカサコソするなだらかな道を楽しみ、大和杉の道標に
行き当たる。降りてゆくとだんだん姿が現れる。どきどきする。

 見えてきた〜! おおお!

 あぁ、お久しぶりです。お元気でしたか?
 心の中で自然に声をかけている。すらりと美しく、そして威厳のある
姿に、また出会えた嬉しさがこみ上げてくる。

 時計を見ると、12時20分だった。

 ひとしきり写真を撮ったり、さわったり、抱きついたりしたあと、お昼に
する。大和杉と1対1で向き合いながら過ごす贅沢。座っていると少し
冷えてくる。温かい紅茶を飲みながら、流れ方の異なる時間に身を浸
した。

 午後1時40分、別れを惜しみながら大和杉をあとにした。行きと帰り
では日射しの位置が変わり、森の印象もまた変わる。鼻歌まじりで
きょろきょろしながら歩いた。

 

 ランドに戻り、川の岩に腰かけて、青空を眺めた。雲がさざ波の
ように空を動いていた。


 大和杉。

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