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かつての店先。

2005.7.30

「ひらく」

きみに向き合う心持ち
森で佇む心持ち
同じと気付いたある夜

きみがいるから心ひらく
心ひらくからきみがいる
同じと気付いたある朝

ひらくなら、ひらく。

安心安心。





品川駅前

2005.7.23

「ナツ ノ ヨル」

昼間の熱ほどく夜風

吹かれながら川べりまで歩こう

片手に缶ビール だまったり話したり

子どもの頃に出会わなかったから

今が懐かしい


雲間の月そそぐ光

揺れながら水面照らしてる

両手ですくいあげ 見つめたり放ったり 

子どもの頃に出会わなかったから

今が懐かしい





雲の上の夕間暮れ

2005.7.16


「ほしいもの」

なくしてしまうとこわいから
近づかないようにしてた

それでもいつしか気がつけば
目の前をまた
うろうろと

ほんとうは知っている
引き寄せているのは自分だってこと





雲の上

2005.7.9


「もし心の底から届けられたいと願うなら」

ひとりぽっちの夜
誰の声も届かない

何もはじまりはしない夜に
わかっていることがある

もし心の底から届けられたいと願うなら
届けなければならない

もし心の底から届けられたいと願うなら
きっと届けることさえできる





水鏡(屋久島)

2005.7.2

「握りしめてたてのひら」

決して離してしまわぬように
てのひら握りしめていた
でもある日
天から下りてきたロープ
のぼっていかなきゃならなくなった

最初は片手でのぼっていたが
やはりそれではおぼつかず
握りしめてたてのひらを
そうっと広げてみたならば
そこには手があるだけだった
つまりそこには何もなかった

なにを握っていたんだろう
なにを握っていたんだっけ
でも必死で握りしめていた
でも必死で握りしめていた
ただ必死で握りしめていた

青い空の途中
からっぽの手をながめたあと
握りしめてたてのひらで
こんどはロープを握りしめた